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従業員エンゲージメントとは?向上させる施策や企業事例を詳しく解説

従業員エンゲージメント

昨今、企業における従業員エンゲージメントが注目されています。

ある調査では、サステナビリティ活動へ参加している実感が高いほど、従業員エンゲージメントが高いと言われていますが、社員全体を巻き込んだサステナビリティ活動の推進は簡単ではありません。

今回の記事では、従業員エンゲージメントの要素や施策、おすすめのサービスについて紹介します。

サステナビリティ委員会

従業員エンゲージメントとは

最初に、従業員エンゲージメントについて説明します。

従業員エンゲージメントとは、従業員の企業に対する信頼や貢献意欲です。

会社を単なるお金を稼ぐために働く場所と捉えず、自発的に「会社に貢献したい」という意欲を持った状態のことを言います。

従業員エンゲージメントが高いほど、会社に貢献したい社員の割合が多いということ。

従業員エンゲージメントが高い企業は、社員一人ひとりのモチベーションや愛着が高いため、生産性アップや離職率低下などのメリットなどがあります。

従業員エンゲージメントを構成する3つの要素

従業員エンゲージメントを構成する要素には、従業員の「満足度」「成長度」「共感度」の3つがあります。

従業員エンゲージメントの判断基準は行政などでは公に決められておらず、企業独自の判断に委ねられる傾向にあるため、企業全体でわかりやすく展開しておきましょう。

「満足度」とは、職場環境や評価に対して満足している状態です。

オフィスの清潔感や労働時間などの職場環境が整っているだけでなく、自分の仕事が正当に評価される企業は、従業員エンゲージメントも高いと言えるでしょう。

「成長度」は、仕事や企業での活動を通して十分成長できるかがポイントとなります。

社員一人ひとりがスキルアップできるような環境をつくる以外にも、成長を実感できるきっかけも合わせてつくるようにしましょう。

最後の「共感度」とは、企業の方針に従業員が共感し、目標達成のために自主的に活動しているかを指します。

企業がサステナビリティ活動の内容や目標を一人ひとりに共有することで、全員が当事者として共感しやすくなるでしょう。

従業員エンゲージメントが重視される理由

ここでは、従業員エンゲージメントが重視されるようになった理由について3つ紹介します。

企業のサステナビリティが推進されるようになった

SDGsが発信されてから、企業のサステナビリティ活動も推進されるようになりました。

サステナブルに貢献している企業は、株主や消費者だけでなく従業員からも評価が高く、長く反映しやすいと考えられます。

そのため、多くの企業はサステナビリティ活動に力を入れるようになりました。

企業のサステナビリティ活動として、環境だけでなく従業員を守ることも大切です。

「従業員が働きやすい環境を提供する」「やりがいをもって働けるようにする」「ウェルビーイングを意識した働き方ができるようにする」など、従業員に関するサステナビリティ活動は多岐にわたります。

従業員の満足度や成長度などを図るために、従業員エンゲージメントは欠かせません。

従業員エンゲージメントが高い状態は、企業のサステナビリティ活動における人材活用の分野に貢献していると言えるでしょう。

リモートワークなどでコミュニケーションが希薄になった

コロナ禍の影響でリモートワークを取り入れる企業が増えています。

リモートワークは感染リスクや通勤時間を気にせず働けるメリットがある一方、対面でのコミュニケーションが希薄になるというデメリットもあります。

新入社員の中には、入社して数ヶ月経っても会社の人にリアルに会ったことがない人も少なくないでしょう。

社内の人たちとのコミュニケーションが不十分になると、「自分は企業に必要とされているのだろうか」「仕事はどのように評価されているのだろうか」という不安につながります。

このような不安によって、せっかく入社した会社を退職する人もゼロではありません。

リモートワークなどによるコミュニケーション不足が及ぼすデメリットを防ぐためにも、従業員エンゲージメントは注目されるようになりました。

自主的にキャリアを考え転職・転身する人が増えた

昨今、一人ひとりが自主的に自分のキャリアを考え、転職・転身する働き方が増えています。

ひと昔前のように、新卒で入社した企業に定年までずっと在籍し、昇級・昇進を目指す働き方はもう主流ではありません。
一つの企業に依存するのではなく、スキルアップし、どこでも通用する人材になろうとする人も増えています。

また、優秀な人材が他の企業にヘッドハンティングされる可能性もゼロではありません。

このような転職・転身が主流となった昨今、企業は人材の流動化を防ごうと努めています。

離職率の低下を図る要素として、従業員エンゲージメントが重視されています。

従業員エンゲージメントが高い状態は、社員全体の帰属意識が高く、退職リスクも低いという状態。
一人ひとりが企業に定着するために、従業員エンゲージメントは重要なポイントと言えるでしょう。

従業員エンゲージメントを向上させる方法

上記で従業員エンゲージメントは昨今の企業経営には欠かせない要素であると説明しました。

従業員エンゲージメント施策や企業事例として、以下のようなものがあります。

従業員エンゲージメント施策10選

従業員エンゲージメント施策の例として、以下の10個が挙げられます。

①企業理念やビジョンを社内全体に浸透させる
②人事評価制度を公にする
③一人ひとりが承認される文化をつくる
④社内コミュニケーションを活性化させる
⑤上司の評価スキルを上げる
⑥ワークライフバランスが整った働きやすい環境をつくる
⑦研修や勉強会などでキャリア支援を行う
⑧スキルや適性に応じて雇用・昇進させる
⑨従業員エンゲージメントの測定と改善を定期的に行う
⑩従業員のサステナビリティ活動への関わりを増やす

以下では、上記10施策の詳細を説明します。

企業理念やビジョンを社内全体に浸透させる

従業員エンゲージメントの要素の一つに、共感度があります。
企業が従業員に共感されるには、まずは企業理念やビジョンを浸透させることが大切です。
企業理念やビジョンの浸透には、ポスターや社内報など視覚的な情報が大切です。

人事評価制度を公にする

自分の仕事が企業や社会に貢献しているだけでなく、正当に評価されることは従業員エンゲージメントの向上には欠かせません。
人事評価制度を公にし、一人ひとりが納得して評価を受けられる環境が大切です。
仕事の成果だけでなく、企業理念への貢献度やプロセスなども評価基準に加えると、企業のサステナビリティ活動の促進にも繋がるでしょう。

③一人ひとりが承認される文化をつくる

自分の仕事や活動が承認されると、満足度や成長度のアップにもつながります。
社員同士で常に「〇〇さんのおかげで仕事がうまくいった」「いつも頑張っているね」などの声かけをすることも、承認文化の一つと言えるでしょう。
また、社長賞やMVPのような公の承認文化をつくることも、従業員全体のモチベーションアップになります。

④社内コミュニケーションを活性化させる

先述したように、リモートワークなどによってコミュニケーションが不足したような状態では、従業員エンゲージメントは下がってしまいます。
定期的なランチミーティングや1on1ミーティングなど、一人ひとりが気軽に意見を伝えられる機会をつくることが大切です。

⑤上司の評価スキルを上げる

企業としての人事制度を明確にするだけでなく、人事制度を正確に取り扱えるように上司の評価スキルを上げることも必要不可欠です。
人事評価に則って評価するスキルだけでなく、どのように評価を従業員に伝えるかもポイントです。
仮に評価がイマイチであった場合でも、従業員が改善やステップアップに向かうようなフィードバックであれば、従業員エンゲージメントは高くなるでしょう。

⑥ワークライフバランスが整った働きやすい環境をつくる

常にベストパフォーマンスで仕事をするためには、ワークライフバランスが大切です。
休みが取れない・残業が多いような環境では、企業への満足度も成長度も感じられないでしょう。
フレックスタイムやノー残業デーの遂行は、ワークライフバランスを整える一環としておすすめです。

⑦研修や勉強会などでキャリア支援を行う

一人ひとりが仕事やスキルアップに対するモチベーションが高い昨今では、研修や勉強会などに対する需要も増加しています。
キャリア支援に積極的な企業は従業員からの評価も高く、従業員エンゲージメントもアップしやすいです。

⑧スキルや適性に応じて雇用・昇進させる

適材適所で仕事ができると、一人ひとりがストレス無く能力を発揮しやすいです。
得意分野を活かしながら仕事をすると、自分が社会や企業に貢献している意識も高くなり、満足度も高くなります。
また、生産性がアップすることで企業に対する社会的評価のアップにもつながるでしょう。

⑨従業員エンゲージメントの測定と改善を定期的に行う

従業員エンゲージメントは一度設定・測定して終わりというわけではありません。測定が終わったらデータ分析を行い、改善する必要があります。
従業員エンゲージメント向上は一時的ではなく、長期的に実施する取り組みです。
常に測定・内容把握・改善を繰り返し、実際の従業員の満足度をアップできるようにしましょう。

⑩従業員のサステナビリティ活動への関わりを増やす

従業員のサステナビリティ活動への関わりを増やすことで、個人だけでなく企業のサステナビリティ活動の推進も合わせて実施できます。
サステナビリティ活動への取り組みは個人・企業問わず注目が集まっています。

サステナビリティ活動に参加している実感が高いほど、従業員エンゲージメントが高い?

結論から言うと、サステナビリティ活動に参加している実感が高いほど、従業員エンゲージメントも高いです。

従業員エンゲージメントとサステナビリティ活動への参加実感は、直接的な関係があるとは言えません。
しかし、企業への満足度が高く「勤務している企業への入社を友人や知人に勧めたい」と強く思っている従業員ほど、「勤め先企業のサステナビリティ活動に携わっていると感じる」傾向にあるというデータがあります。

一方で、あまり自分の会社への入社を友人や知人に勧めたいと感じていない従業員は、企業がサステナビリティ活動をしていないと感じている傾向が強いです。

つまり、企業理念や人事評価などの浸透具合は、勤務先への評価・従業員エンゲージメントに大きく関わると言えます。

参考:MUFG資産形成研究所『サステナビリティに関する意識と消費・投資行動調査』

従業員がサステナビリティ活動に関わっている企業事例

従業員がサステナビリティ活動に関わっている企業は少なくありません。

課長クラス以上など会社の軸となる人のサステナビリティ活動への関与実感は50%を超えている一方、一般社員にはあまり関与実感が湧いていないという点は、多くの企業にとって課題となっています。

そこで、役職に関係なく会社全体でサステナビリティへの関わりをつくっている事例を紹介します。

事例①:三木プーリ株式会社

三木プーリ株式会社のサステナビリティ活動は、社員参加型で社員全体でモチベーションをアップさせています。

サステナビリティ活動を始めた当初は、「サステナビリティ」というワードすらあまり知られておらず、社員にはなかなか浸透しませんでした。

そこで、従業員参加型で取り組める「わくわく寄付コンペ」を導入し、継続的なサステナビリティ活動の基盤をつくりました。

わくわく寄付コンペでは、各従業員が自身が関心のある社会課題に取り組む団体に投票することができます。

実際に、三木プーリ株式会社の投票率は毎回80%を上回っており、従業員エンゲージメントの向上に必要なサステナビリティ活動への関与実感が高まっていると言えます。

<三木プーリ従業員の投票率>
2022年10月:81.5%(投票数:235/288票)
2023年  2月:86.3%(投票数:246/285票)

事例②:株式会社オープンアップグループ

オープンアップグループは「多様性が認められ個人の能力が発揮できる持続可能な社会の実現へ向けて」というサステナビリティを設定しています。

なかでも特徴的なのが、パーパスの実現度をさまざまな要素で捕捉し、その広がりを指標化する5つのインデックスを定めていることです。

そのうちの2つが「定着率」と「エンゲージメント」です。

「定着率」については、次の成長機会のための退職も個人にとっては必要な選択肢であると考えているため、仕事振りが評価されて客先へ移籍する退職者数(移籍者数)を考慮した数値を設定しています。

また、「エンゲージメント」については、主要事業の派遣業という特性を活かし、同グループ企業のみならず、派遣先や、派遣社員のバックアップ体制に関するエンゲージメントも計測しています。

そのほかにも、キャリア形成支援や通報窓口など、従業員エンゲージメントを向上させる仕組みも整っています。

従業員エンゲージメント向上とサステナビリティ活動をもっと推進させたい方へ

最後に、従業員エンゲージメント向上とサステナビリティ活動をもっと推進させたい人向けに、おすすめの方法を解説します。

ここまで従業員エンゲージメントの重要性やサステナビリティ活動との関係性について解説しましたが、サステナビリティ活動に関わっているのは役職者ばかりで、従業員まで浸透していないという企業も少なくないでしょう。

従業員エンゲージメントを向上させるためには、先述した10個の施策を実行することが大切ですが、自社だけではなかなか対応しきれない可能性もあります。

自社だけではなかなか効果が出ない、そもそも従業員エンゲージメントやサステナビリティ活動を推進するまでに至らない場合は、専用サービスを活用するといいでしょう。

サステナビリティ活動の推進サービスは複数ありますが、従業員参加型の観点からは「サステナ委員会パッケージ」がおすすめです。

従業員参加型の「サステナ委員会パッケージ」とは

サステナ委員会パッケージとは、企業のSDGsやサステナビリティ活動のスタートから社内浸透までだけでなく、社外の認知獲得まで幅広くサポートするサービスです。

「サステナビリティ活動を始めたいが、ノウハウや人手が無い」「そもそもサステナビリティ活動として何をすればいいかわからない」という企業に、サステナ委員会パッケージはおすすめのサービスです。

サステナ委員会パッケージは、役員などの主要メンバーだけでなく社内の仲間も巻き込み、自主的な活動を推進するため、従業員参加型のサステナビリティ活動を目指す企業はぜひチェックしてみてください。

まとめ

今回の記事では、従業員エンゲージメントについて解説しました。

直接的な因果関係があるとは言えませんが、サステナビリティ活動へ参加している実感が高いほど従業員エンゲージメントが高い傾向にあります。

つまり、企業がどのように社会に貢献しているかを従業員も理解・把握し、できる範囲で従業員自身が活動に参加することで、当事者意識やモチベーションアップにつながります。

従業員エンゲージメントを向上させていきたい企業は、従業員参加型のサステナビリティ活動の推進を検討してみてはいかがでしょうか。

サステナビリティ委員会