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3分でわかる|統合報告書、サステナビリティレポート、インパクトレポートはどう違う?

ESG投資が拡大し、さまざまなステークホルダーとの関係構築が重要視される今、企業活動の報告書はこれまで以上に多様化しています。本記事では、統合報告書、サステナビリティレポート、インパクトレポートについて、各報告書の特徴と目的を、企業のニーズに紐付けながら解説していきます。

 

統合報告書とは

統合報告書は、財務情報と非財務情報を統合して、企業の価値創造プロセスを説明する報告書です。ビジネスモデルやキャピタル配分、成果測定、ガバナンス等に関する情報を包括しながら、企業がどのように長期的な価値を創造し、持続的成長を目指しているのかを示します。

統合報告書を発行する主な目的は、投資家やアナリスト、金融機関等に長期的な価値を評価してもらい、投資判断を促すことです。開示が求められる財務情報だけでなく、企業独自の強みである知的資産やESGに関する取り組みも含め、今後の事業展開や見通しをまとめることで可能性を提示します。

統合報告書を発行するケース

・資金調達を積極的に行いたい
・株価向上を目指していきたい
・ステークホルダーに対して企業成長の全体像を俯瞰的に示したい
 

サステナビリティレポートとは

サステナビリティレポートは、持続可能な社会の実現に向けた企業の取り組みを開示・報告するもので、社会課題に向き合う姿勢や実態を幅広いステークホルダーやESG評価機関に向けて発行されます。国際的なガイドラインであるGRIスタンダードなどに沿って作成されることが一般的で、企業のESGに関する方針、取り組み、実績を包括的に報告します。

サステナビリティレポートを発行する主な目的は、企業のサステナビリティ戦略に基づくESGへの取り組みを紹介することで、社会課題に取り組む姿勢を示し、企業イメージやブランド力の向上につなげることです。企業の経済活動が環境や社会に与える影響に対し、どのように向き合っているのかを幅広いステークホルダーに向けて提示します。

サステナビリティレポートを発行するケース

・環境・社会問題への取り組みをアピールしたい
・SDGsの達成に貢献したい
・サステナビリティに関するリスクを管理し、企業の持続可能性を確保したい

 

インパクトレポートとは

インパクトレポートは、企業活動が社会や環境に与えた具体的な影響(インパクト)を、定量的に測定・評価し、結果を示す報告書です。サステナビリティレポートが定性的な情報を多く含むのに対し、インパクトレポートはより定量的なデータや具体的な成果を重視する点が特徴です。

インパクトレポートは特定の社会的・環境的目標に重点を置くことが多く、ステークホルダーの中でも社会的インパクトに関心の高い投資家やパートナー、今後パートナーになり得る企業やNGO団体などにより焦点を当てて発行されます。

レポートの特徴は社会的インパクトを具体的な数値や事例で示す点で、例えば「教育支援プログラムによって何人の生徒の学力が向上したか」、「環境保護活動によってどれだけの生物多様性が保全されたか」など、定量的に成果を報告します。

インパクトレポートを発行するケース

・力を入れている社会貢献活動の具体的な成果をステークホルダーに報告したい
・社会的なインパクトを測定し、その結果をもとに改善を図りたい
B Corp認証を目指す中で、評価プロセスの重要な指標を作りたい

 

3つの報告書の比較

企業がどの報告書を作成すべきかは、戦略や目的、ステークホルダーのニーズ、リソースなどによって異なります。下の図は、今回ご紹介した3つの報告書について、目的や対象を軸に比較した表になります。

 

統合報告書、サステナビリティレポート、インパクトレポートを活用するには

企業の状況や目標に合わせて、統合報告書、サステナビリティレポート、インパクトレポートをはじめ最適な報告書を発行することで、企業価値の向上やステークホルダーとの関係強化に繋げることができます。

複数の報告書を組み合わせた場合には、企業の多面的な価値を効果的に伝えることができますが、作成にはそれぞれ専門知識とリソースが必要となるため、自社の状況や優先順位を考慮して、段階的に取り組んでいくことも一つの方法です。

どの報告書を発行するにしても、一貫性のある情報開示と、継続的な改善を行うことで、ステークホルダーとの信頼関係を構築し、企業の持続可能な成長につなげることができるでしょう。

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