ICHI COMMONSは東京都と協働で、パラスポーツ競技団体と企業の連携を促進するオンラインマッチングプラットフォーム「TEAM BEYOND パラコネクト」を運営しています。本記事では、このプラットフォームを通じて実現した連携事例として、株式会社スマートスタートと日本知的障がい者卓球連盟の取り組みをご紹介します。
反射神経や動体視力が勝敗を分ける卓球という競技。今回、2026年4月に実施された日本知的障がい者卓球連盟強化指定選手合宿において、スマートスタートが展開する反射神経ゲーム「REAXION(リアクション)」がデモ導入されました。選手の育成・トレーニング目的で活用されたツールを通じた、両者の共創をご紹介します。
TEAM BEYOND パラコネクトとは
「TEAM BEYOND パラコネクト」は、東京都とICHI COMMONS株式会社が協働して2025年8月に開設したオンラインマッチングプラットフォームです。
競技団体のニーズと企業のアセット(提供できるノウハウや資源)を可視化し、コーディネーターによる伴走支援を通じて最適な連携を実現します。従来は年一回の対面交流会で行われていたマッチングを、年間を通じて支援する仕組みに発展させ、障害者スポーツ環境の充実や競技団体の基盤強化を図るとともに、企業の社員エンゲージメント向上や社会共創活動の推進にもつながる新たな仕組みです。
スマートスタートと日本知的障がい者卓球連盟のマッチング
今回ご紹介するのは、反射神経トレーニングゲーム「REAXION(リアクション)」を提供する株式会社スマートスタート(以下、スマートスタート)と、日本知的障がい者卓球連盟(以下、連盟)との連携です。
スマートスタートは、反応・判断・認知を数値化しパフォーマンス向上につなげるREAXIONを通じて、競技力向上と楽しさを両立する新しいスポーツ体験の提供を目指しています。これまで卓球チームへの導入実績は多くはなかったものの、卓球という競技は反応速度・判断力・視野の広さが勝敗を分ける重要な要素であり、REAXIONトレーニングとの親和性は非常に高いと感じていました。
一方の連盟も、共生社会の実現に向けて共に歩める企業との関係構築や、新たな環境構築に向けた伴走・相談先を探していました。この両者の想いが合致し、選手の育成・トレーニングを目的としたデモ機レンタルという形での連携がスタートしました。
競技特性が生み出すトレーニングの親和性
2026年4月に行われた連盟の強化合宿で実際にREAXIONを使用したことで、知的障がい者卓球における本ツールの必要性と高い効果が明らかになりました。
卓球は、小さなボールが高速で行き交う競技であり、瞬時の反応速度、相手の動きを読む判断力、ボールの軌道を追う視野の広さが勝敗を左右します。REAXIONはまさに反応速度・判断力・視野をゲーム感覚でとらえられるツールであり、卓球競技との親和性も極めて高いものとなっています。
特に知的障がいのある選手にとっては、言語による指導だけでは伝わりにくい反復練習の確認や認知機能の確認、視野・視界の癖や特徴の把握といった要素を、REAXIONを使うことで直感的に可視化できます。選手が注視している箇所の確認や、俊敏性の測定など、従来の練習では見えにくかった選手の特徴をデータとして把握できる点は、コーチ陣にとっても大きなメリットになります。

当日はパラ選手や大学生を含む多くの参加者が興味を持ち、自主的に参加する姿が見られました。二度目の体験となる選手は以前よりも操作に慣れ、繰り返し行うことでさまざまなスキル習得の参考にもなります。
卓球台の上にREAXIONを置いて使用した際には、手の俊敏性だけでなく、実戦に即したフットワークや体の使い方なども同時に確認できるという想定外の発見もありました。競技性を考慮した上での、新たな活用方法が見出された瞬間でした。
さらに、多くの参加者が楽しみながら取り組む中で、REAXIONはコミュニケーションのきっかけとしても機能しました。通常の練習では見られない選手の積極性が引き出される場面もあり、ゲーム性の高いREAXIONならではの効果がわかる機会となりました。
今回の連携を機に、スマートスタートは卓球領域への活用をさらに広げていきたいと考えています。連盟もREAXIONを取り入れたトレーニングの可能性に価値を感じており、両者は今後も連携を深めていく方針です。
競技の枠を超えて、社会の力に変える
スマートスタートは、今後は卓球競技にとどまらず、知的障がいを持つ方々のトレーニングツールとしての可能性を広げていく方針です。実際に、放課後等デイサービスの現場からは「集中力の変化を感じた」といった声も届いており、教育現場や福祉施設への展開、さらには家庭へのREAXIONの普及も見据えています。
連盟もまた、競技性や選手の特性を考慮した活用方法の発見から機器の購入に至り、今後も競技力向上を目指した活用方法を模索していきたいと話します。今回の体験を通じて、社会の中で活躍できる人材育成、共生社会の実現、パラスポーツの可能性を伝え社会の力に変える、というビジョンに向けた一歩となりました。
「楽しみながら能力を伸ばす」というREAXIONのアプローチは、選手のスキル向上だけでなく、心身の健やかな成長と社会参加を後押しする力を持っています。知的障がい者卓球という競技の現場から、REAXIONの新たな可能性が見え始めています。
TEAM BEYOND パラコネクトでは、引き続きさまざまな連携事例の創出を支援してまいります。
会社・団体概要
■ 株式会社スマートスタート 反射神経トレーニングゲーム「REAXION」の提供等を展開。
https://susnet.jp/corps/smasta
■ 日本知的障がい者卓球連盟 知的障がいのある選手による卓球競技「知的障がい者卓球」の普及・強化を行う国内統括団体。
https://susnet.jp/orgs/chitekitt










