ICHI COMMONSは東京都と協働で、パラスポーツ競技団体と企業の連携を促進するオンラインマッチングプラットフォーム「TEAM BEYOND パラコネクト」を運営しています。本記事では、このプラットフォームを通じて実現した連携事例として、株式会社KEAN Healthと日本パラ・パワーリフティング連盟の取り組みをご紹介します。
目次
TEAM BEYOND パラコネクトとは
「TEAM BEYOND パラコネクト」は、東京都とICHI COMMONS株式会社が協働して2025年8月に開設したオンラインマッチングプラットフォームです。
競技団体のニーズと企業のアセット(提供できるノウハウや資源)を可視化し、コーディネーターによる伴走支援を通じて最適な連携を実現します。従来は年一回の対面交流会で行われていたマッチングを、年間を通じて支援する仕組みに発展させ、障害者スポーツ環境の充実や競技団体の基盤強化を図るとともに、企業の社員エンゲージメント向上や社会共創活動の推進にもつながる新たな仕組みです。
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KEAN Healthと日本パラ・パワーリフティング連盟のマッチング
今回の連携は、遺伝子検査サービス「chatGENE」を展開する株式会社KEAN Health(以下、KEAN Health)と、「筋肉で日本を持ち上げる」を合言葉に掲げる日本パラ・パワーリフティング連盟(以下、連盟)によるものです。
KEAN Healthは、遺伝子を活用したアスリートのパフォーマンス最大化支援に取り組んでおり、本格的にアスリート支援を開始するタイミングで、連盟との出会いがありました。瞬発力や持久力、回復力や乳酸耐性、集中力や体重の落ちやすさなど、アスリートにとって重要な要素は遺伝子タイプと密接に関わっています。他の選手で効果があった方法が必ずしも自分に当てはまるわけではなく、一人ひとりの遺伝子タイプに合った戦略を立てることで、個々のパフォーマンス向上につなげることを目指しています。
一方の連盟は、パラリンピックでのメダル獲得という夢に向けて、選手の競技力強化に事務局サイドからも貢献したいという想いを持っていました。精神論だけではなく、科学的根拠に基づく選手が喜ぶ支援を模索するなかで、遺伝子検査というアプローチに着目。選手の活躍する姿を通じて、応援してくださる方々の気持ちを「持ち上げる(元気づける)」ことこそが、「筋肉で日本を持ち上げる」という合言葉の体現だと考えました。
2025年8月に開催されたスポーツ・健康産業の展示会「スポルテック」で、KEAN Healthがパラコネクトの紹介や連盟が運営していた体験会を含む「TEAM BEYOND」ブースに立ち寄り、遺伝子検査を通じた協力を提案したことがきっかけとなり、今回のマッチングが実現しました。
遺伝子で勝つ(Win by GENE)パワーブーストプロジェクト
両者の連携は、単発の検査にとどまらない継続的な取り組みとして、「遺伝子で勝つ(Win by GENE)パワーブーストプロジェクト」と名付けられ、プロジェクトロゴも制作されました。

当初15名までの実施を想定していた遺伝子検査は、2025年8月時点でロサンゼルスパラリンピックへの出場権利を保持していた世界選手権日本代表選手およびスタッフ向けに説明会を実施し、13名が利用しました。さらに強化指定選手22名に向けた先着受付では、わずか半日で応募が締め切られるほどの反響がありました。追加で3名の検査を実施し、最終的に合計16名がプロジェクトに参加しています。
全7ステップの支援プログラム
本プロジェクトでは、全7ステップにより選手のパフォーマンス向上を支援していきます。まず①遺伝子とスポーツの関係を講義し、②選手が遺伝子検査を実施。その後、③結果を分析したうえで、④分析結果の配布と講義を行い、⑤コーチと一緒に選手ごとの強化プランを考察します。そして⑥トレーニング等の実践を経て、⑦効果検証まで一貫してサポートする仕組みです。
遺伝子検査が選手間のコミュニケーションツールに
遺伝子検査は競技力強化のみならず、選手間のコミュニケーションツールとしても好評を博しました。検査結果をきっかけに選手同士の会話が活性化し、個々の遺伝的特性を「個性」として共有し合う場面が生まれています。
この反響を受け、検査結果を選手紹介コンテンツとして応用するアイデアも生まれました。アスリート一人ひとりの個性を「魅力」として発信していく取り組みへの展開が期待されています。
検査結果を活かした競技力強化を
今後は、検査を受けたメンバーを対象に、検査結果を活かしたトレーニングや生活スタイルの模索、リカバリー、怪我の予防への取り組み方、意識改革など、競技力強化につながる活動をプロジェクトとしてさらに追求していく方針です。
また、先着受付で申し込みが間に合わなかった強化指定選手や、今回は参加を見送ったスタッフからも「次はこのプロジェクトに参加したい」との要望が複数上がっており、トップ選手以外の育成選手や新人選手へのサポートも拡大していく考えです。一人でも多くの選手が国際大会で優れた成績を残したり、自己ベストを更新し続けられるよう、遺伝子を起点にサポートを続け、日本のパラ・パワーリフティングの競技力向上に貢献していくことを目指しています。
連盟は「KEAN Health様との連携を、検査を一度受けて終わりではない、長く続くプロジェクトとして育てていきたい」と語り、KEAN Healthもまた「遺伝子検査という科学的アプローチによる進化が、結果として『勇気や希望』という形で社会に還元されれば」と展望を示しています。
単なるバーベルを持ち上げる競技にとどまらず、選手の活躍を通じて社会全体を元気づける。「筋肉で日本を持ち上げる」という合言葉が、遺伝子科学の力を得て、さらに大きな広がりを見せようとしています。
TEAM BEYOND パラコネクトでは、引き続きさまざまな連携事例の創出を支援してまいります。
会社・団体概要
■ 株式会社KEAN Health 遺伝子検査、腸内フローラ検査をはじめとした各種検査サービス等を運営。
https://susnet.jp/corps/keanhealth
■ 特定非営利活動法人 日本パラ・パワーリフティング連盟 下肢に障がいのある選手によるベンチプレス競技「パラ・パワーリフティング」の普及・強化を行う国内統括団体。
https://susnet.jp/orgs/jppf










