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セブン銀行ATMで社会課題解決の可能性を探る。事業を通じた価値創造とは

 
経済同友会が主催する「ソーシャルウェンズデー」とは、水曜日を中心に企業人がボランティアや社会貢献活動に取り組む新たなムーブメントの名称です。ソーシャルウェンズデーを通じて、100社1万人のトライセクター人財(民間、公共、市民社会の3つのセクターの垣根を越えて「社会価値」の創造に取り組む実践者)を輩出することを目標としています。

今回は、2025年11月に開催された第8回リーダープログラムにおける、株式会社セブン銀行 代表取締役社長 松橋正明氏による講演と、参加企業による企業横断型のディスカッションの様子を紹介します。

>> 第1回 リーダープログラム始動
>> 第2回 貧困家庭の学習支援現場へ参加
>> 第3回 サントリーグループの社会貢献活動に学ぶ
>> 第4回 企業とNPOが共に考える課題解決策
>> 第5回 NPOの現場で見出す課題と解決
>> 第6回  横断的な共創機会の事例とこれから

セブン銀行が実践する社会的価値の創造

はじめに、株式会社セブン銀行 代表取締役社長 松橋正明氏をゲストスピーカーに迎え、同社が取り組む社会的価値創造について講演をいただきました。
 

 
セブン銀行は、日本全国28,000台以上のATMネットワークという独自のインフラを有しています。松橋氏の講演では、このATMという社会インフラを活用した社会課題解決の可能性や、事業活動そのものを通じた価値創造、さらには人材育成やデータ活用といった多角的な視点から、企業が社会的価値をどのように生み出していくかについて語られました。

その後のQ&Aセッションでは、参加企業から活発な質問が寄せられ、具体的な取り組み事例や、企業として社会課題に向き合う際の判断基準などについて、深い対話が交わされました。

自社アセットと社会課題をマッピング、企業横断ディスカッション

 
講演後のワークセッションでは、まず各参加者が、自社が保有するアセットと取り組みたい社会課題テーマをマッピングしました。参加者一人ひとりが、自社の強みと社会課題の接点を具体的に可視化する時間となりました。

次のグループディスカッションでは、個人ワークで行った自社アセットと課題に関するマッピング共有と、セブン銀行ATMを活用したアプローチの可能性について議論が行われました。異なる業種・業態の企業が集まることで、自社では気づかなかった視点や、思いがけない連携の可能性が見えてくる場面も多く見られました。
 

 
また、松橋氏の講演を受け、全国に広がるセブン銀行のATMネットワークを活用した社会課題解決の可能性について、企業横断で具体的なアイデアを検討しました。金融インフラという枠を超えて、情報発信、物資配布、地域コミュニティとの接点など、多様な切り口からの活用アイデアが生まれました。
 

 

 

参加企業が互いに学び合い、共創の種を生み出した第8回

セッション終了後、参加者からは以下のようなコメントが寄せられました。

「ATMに対するハンズオンの取り組みと、共創に徹底してマネタイズを求める松橋社長の姿勢が、民間セクターの強さを体現されていて、感銘を受けた。」

「各業界の皆様のアセットとそれらを掛け合わせて社会課題への解決策を考えるというのは、改めて有意義に感じた。ホワイトボード上だけではなく、日本、世界にアライアンスより形作られる付加価値を広げていきたいと感じた。」

ソーシャルセクターがマネタイズまで踏み込んで事業を組み立てるには、やはり民間セクターの人材からの貢献必要だと強く感じたセッションだった。」

 

 

ソーシャルウェンズデーのリーダープログラムは、単なる情報提供の場ではなく、参加企業が互いに学び合い、具体的な共創の種を生み出していく場として機能しています。第8回のセッションも、セブン銀行という先進企業の実践から学びながら、企業横断での新たな可能性を探る有意義な時間となりました。

 


サステナPressでは、引き続きプログラム内容をご紹介するとともに、トライセクター人財の活躍や共創事例、これからの社会課題解決の新たな形を探っていきます。